認知症検査に100%は無い
- 2019.09.30
- 認知症
軽度認知障害や初期の認知症が疑われる状況で不動産を売ろうとする場合、相談する相手によって判断が変わってきます。認知症かどうか、またその程度を見極めることは医師でも困難と言われています。ここでは、認知症かどうかを判断するために現状どのような検査が行われているのかをご紹介いたします。
認知症検査の種類
認知症の検査は、問診や診察、神経心理学的検査、CTやMRIなどの画像検査、血液検査などによって行われます。
問診
迷子になったり、着衣時に混乱することは無いかなどを家族に聞き、その話に対して本人がどんな反応をするのかを観察します。
診察
会話の中身や応答の仕方だけではなく、診察室に入ってくるときの歩き方や身だしなみ、あいさつの仕方や表情などを見ます。
神経心理学的検査
長谷川式認知症スケール
精神科医の長谷川和夫さんによって作成された簡易的な知能検査。10分程度の検査で、30点満点中20点以下で認知症の疑いがあります。
MMSE
国際的な認知機能の簡易検査。10分程度の検査で30点満点中23点以下で認知症の疑い。言語機能の配分が高いため、初期段階の方でも言語障害がある場合には点数が低くなりやすく、視覚的な障害が主な症状の場合は点数が高めに出る傾向があるので注意が必要です。
ABC認知症スケール
認知症の重症度を評価するために開発された検査。10分程度の検査で、日常生活動作や行動および心理症状、認知機能の重症度を同時に評価することができます。
画像検査
CT検査
エックス線で体の断面を撮影する機械に頭を入れ、脳の輪切り画像を撮って萎縮状態を見ます。
MRI検査
磁気を用いて脳の断面を撮影する。CT検査よりも画像が鮮明で、脳の萎縮状態を正確に把握できます。
SPECT画像
脳の血流状態を見るための画像検査。微量の放射性医薬品を静脈に注射して脳の画像を撮影。機能が低下している部位の血流を調べます。
血液検査
甲状腺ホルモン、ビタミンB群
甲状腺機能の低下やビタミンB群欠乏症から、認知機能が低下することがあります。
認知症検査を受けても診断は難しい
検査の結果はすぐに出ないことが多く、何度か受信してから診断を聞くことになります。
認知症の専門ではない医療機関の場合、脳の萎縮があまり見られないと「年相応のもの忘れでしょう」と言われて終わることがあります。
しかし、その後1年もしないうちに症状が出てきて「やっぱりあの時から認知症だったんだ…」と判明することも珍しくありません。
病状や進行状況には個人差があります。認知機能が低下するペースも様々です。
このように、医師でも判断が難しい認知症の診断。認知症に精通した司法書士や不動産会社を選ぶように心掛けてください。