認知症の症状を見逃さない日々の対応
- 2019.09.25
- 認知症
認知症の症状を見逃さないためには…?
認知症の小さな変化に気づくのは、たいてい同居している家族です。
一緒に生活していて「あれっ?」と思うところから疑いが始まります。
「さっき話したことなのに覚えていない」
「部屋が散らかるようになった」
「どこかいつもと違う…」
そんな微かな変化が認知症初期の兆候です。
それに気づくことができれば、進行を遅らせたり、認知症がもとになる他の二次的な症状を和らげたりできます。
本人は自分の異変に気付きながらも相談できない人が多い
「なにかおかしいな…」当然本人も気がついています。
ところが多くの人はなかなか病院に足を運ぼうとしません。
自分に違和感を感じながらも
「認知症だと告知されたらどうしよう…」
そんな恐怖を感じてしまい、診察を受ける勇気が出ないのです。
本人にも家族にも症状の判断は難しい
おかしいと感じながらも現実を直視できず「歳のせいだから」という言葉でごまかしてしまう方が多いです。
そのまま症状が進行してくると、本人の自覚があいまいになってきて、症状を自分で説明することすら難しくなってしまいます。
そのため、あなたや家族に認知症の知識がないと病状を正しく把握することができなくなってしまうのです。
親の様子がおかしいなと感じたら、まず認知症のチェックリストを試してみましょう。
認知症早期発見チェックリスト
- いつも日にちを忘れてしまう
- 少し前のことをしばしば忘れてしまう
- 最近聞いた話を繰り返すことができない
- 同じ時間内に同じことを言うことがしばしばある
- 以前した話を繰り返す
- 特定の単語や言葉が出てこないことがしばしばある
- 話の脈絡をすぐに失う(話があちこちに飛ぶなど)
- 質問を理解していないことが答えからわかる(質問に対する答えが的外れで、かみあわないなど)
- 会話を理解するのが難しい
- 時間の観念がない(時間がわからない、午前・午後の区別がつかないなど)
- 話のつじつまを合わせようとする
- 家族に依存する様子がある(本人に質問すると家族の方を向くなど)
※12 項目中、4 項目以上が該当した場合、認知症の疑いがあります。
(初期認知症兆候観察リスト Hopman-Rock M, :Int J Geriatr Psychiatry. :2001Apr;16(4):406-14.より一部改変)
家族だけでも早めに相談を
本人が病院へ行くのを拒む場合、嘘を言ったり無理強いするのはやめましょう。信頼関係が崩れて、これから先の生活に悪影響を及ぼします。
相談する際は、健康診断を兼ねてかかりつけ医に診てもらうなど、最初の相談は馴染みのある医師にするのがいいでしょう。
また、もの忘れ外来などの専門の診療科であれば、家族だけで相談できる所もあります。
認知症初期に適切な対応がとれれば、その先の不便や不安を最小限に抑えることができ、親の家や土地を売却できなくなる可能性も最小限に抑えることができます。